2007年10月31日

スピードキング

僕の通学路に、いけすかない奴がいる。

はじめて出会ったのは、今年の夏前だった。

僕が自転車を信号待ちに止めたときのこと。
横に自転車がやってきた。

小さい自転車。
黒ぶちメガネ。
ワックスでおしゃれにきめている。
実に僕の嫌いなタイプだ。

彼はしかも信号待ちのときに僕より先に飛び出したので、僕はなんなく後ろからぬいた。
するとなぜか彼は僕に競ってくる。
コーナーなどで差をつめてくるが、やはり僕のでかい自転車にはかなわない。
彼は一生懸命こいでいたが、結局途中でちぎった。

それから二ヶ月。
九月のことだ。
なんと奴が今度は大きなチャリに乗って現れた。

彼は僕のことを覚えていたのだろうか。
すぐさまバトルははじまった。

そのときの彼は強かった。
両車は猛スピードで国道を駆けていった。
負けられない。
こんな奴に負けてたまるか。とりあえず黒ぶちメガネはずせこの野郎。

だが奴は信号無視&国道を横切る という荒業を敢行。
僕は二自転車差で負けた(ゴールしたときの差が自転車二台分)。

屈辱であった。
彼の頬はにやにやと緩んでいた。

そして今日、また奴とばったり出会った。
うわー、俺の嫌いな黒のオシャレジャケットや。
脱げ、脱げ。
(僕も黒のジャケットだが、僕はいいのだ!とかく最近の若い男が着ている服には黒いジャケットが多すぎる!みんなおんなじに見える!お前らはタラコキューピーか!
何度も言うが、俺はいいのだ。黒いジャケットかっこいいしな!)

当然バトルがはじまった。
だが、僕は奴の弱点を知っていた。

奴はどう見ても筋肉がたくさんついているようには見えない。
こちとら高校のときに、一日二時間以上はチャリをこいでた。
そう、奴は脚力とスタミナがないのだ。あるのは信号無視をし、国道を横断する度胸だけなのだ。

通学路には坂道が二箇所あるのだが、そこが決定的だった。
前回のバトルでは、僕はそこを彼と同じ調子で登った。
しかし今思うに、その坂道で彼に合わせるのは愚行である。

そここそが、チャンスなのだ!

今日、一気に彼を突き放した。
坂道を僕は駆け登った。

彼の舌打ちが背後で聞こえる。

そして僕は国道に出るまでにかなりの差をつけた。

いよいよ国道だ。
奴が後ろからせまってくる。
気はぬけない。
奴の自転車は僕よりも大型かもしれない。
気をぬける相手ではない。


そのとき!後ろで音がした。


ガシャーン!


またしてもあせって国道を横断しようとした彼は、縁石でスリップして、こけた。

うぜぇ〜!

という声が聞こえた。


ククク、まだ若いな。


というわけで、目下戦績は二勝一敗である。
posted by 映画委員長 at 16:39| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/63696940

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。